第1部|生成AIとの出会い編
第5章 まずは「壁打ち相手」として使う
この章の要点
- いきなり業務効率化を目指さず、「相談相手」から始める
- 周辺業務(資料・メール・整理)との相性が特に良い
- AIは「本業以外の負担を減らす」道具でもある
「壁打ち相手」くらいの距離感でいい
生成AIを使い始めるとき、最初から、
- 業務自動化
- AIエージェント構築
- 高度な分析
- バイブコーディング
を考える必要はありません。むしろ最初は、
壁打ち相手
くらいの感覚で使うのがちょうどよいです。
- 愚痴を言う
- モヤモヤを整理する
- 身近な疑問を投げる
- なんとなく考えていることを言語化する
セラピストとして働いていると、
- 「これでよかったのかな」
- 「なんか疲れたな」
- 「このケース難しいな」
- 「この人への説明どうしよう」
など、頭の中にいろいろなものが溜まります。でも、それを毎回人に相談できるわけではありません。そんなときに、生成AIは静かな相談相手になります。
AIに「答え」を求めすぎなくていい
ここで大切なのは、
「AIに最終判断を任せない」
ことです。AIはあくまで、思考整理・情報整理・言語化・発想補助をしてくれる存在です。最終的に意思決定をするのは、自分自身です。
「正解をもらう」
というより、
壁打ちしながら、自分の考えを整理する
くらいの使い方がちょうどよいでしょう。
臨床でも使えるが、まだ慎重さは必要
セラピストの本業である臨床でも、AIは活用できます。
- 評価項目の整理
- 臨床推論の補助
- エビデンス検索の入口
- 患者説明文の下書き
- 自主トレメニュー資料の作成
ただし一方で、
- 個別性
- 身体感覚
- 文脈
- 非言語情報
- 倫理的判断
などは、AIだけでは責任を負いきれない部分があります。そのため、「AIが言っているから正しい」ではなく、「参考にしながら人間が判断する」距離感を保ちましょう。
むしろ「周辺業務」との相性が抜群
現時点では、臨床判断そのものよりも、周辺業務の効率化との相性が非常に良いです。
自主トレ資料を作る
クライアントへ渡す自主トレ資料を、わかりやすく・見やすく・一般向けに整理してもらう。
院内資料を整理する
同業セラピストへ渡す資料を、箇条書き化・要約・スライド構成整理してもらう。
メール文面を整える
上司へのメール、部下への連絡、他職種とのやりとりなどの文章を調整してもらう。特に、
- 強すぎる表現を柔らかくする
- 丁寧にする
- 要点を整理する
はAIがかなり得意な領域です。
セラピストは「臨床以外」の仕事も多い
セラピストの仕事というと臨床だけをイメージしがちですが、実際には、記録・資料作成・勉強会・教育・連絡・書類・発表・情報共有など、多くの周辺業務があります。
「めんどくさいな…」 「でもやらないといけないんだよな…」
と感じる作業も少なくありません。
AIは「本業に集中するための道具」
AIはあくまで手段です。だからこそ、
「本業を効率化する」
だけではなく、
本業以外の負担を減らして、本業に集中しやすくする
という使い方も非常に有効です。
資料作成・要約・メール作成・情報整理にかかる時間を減らすことで、その分の余裕を、臨床・学習・家族・趣味・睡眠へ回す。それだけで十分に価値があります。
試してみるプロンプト
あなたは経験豊富なセラピストの先輩です。 私はある患者さんの対応について少しモヤモヤしています。 まずは私の話を遮らず聞いてもらい、最後に「整理された論点」を3つほど提示してください。 解決策の提案は、その後で別途お願いします。
第5章のまとめ
- 最初は壁打ち相手・相談相手として使う
- 臨床判断より、周辺業務との相性が良い
- 「本業以外の負担を減らす」道具として位置づける