第2部|業務活用編
第11章 データ分析にAIを使う
この章の要点
- アンケート・Excelデータ・評価データの可視化が手軽になる
- ハードルが高かった「分析の入口」を下げてくれる
- ただし、統計の細部は専門家の確認が必要
ファイルを読み込ませて分析できる
生成AIは、データ分析の補助としても使えます。
- アンケート結果
- Googleフォーム回答
- Excelデータ
- CSVファイル
- 評価データ
- 研究データ
などをAIへアップロードすると、平均値・集計・グラフ化・傾向整理を補助してくれます。「とりあえず傾向を見たい」という用途には特に向いています。
まずは「見える化」から
例えば、
- 年齢分布
- 満足度
- 疼痛スコア
- 活動量
- 回答割合
などを、棒グラフ・円グラフ・散布図・表として整理してもらいます。さらに、
- 「もっと見やすくして」
- 「色を変えて」
- 「シンプルにして」
なども、言葉で指示できます。以前はExcel操作・関数・グラフ設定で苦労していた部分が、自然言語でかなり楽になります。
セラピスト領域とも相性が良い
セラピスト領域では、
- 患者満足度調査
- 勉強会アンケート
- 介入前後比較
- 認知機能データ
- 活動量データ
- ICT機器の利用ログ
など、意外とデータを扱う機会があります。しかし、「集計が面倒で結局やっていない」となりがちです。AIは、「まずざっくり整理する」補助としてかなり便利です。
統計処理は少し注意が必要
ただし、統計処理については慎重さが必要です。AIは、
- 間違った解釈
- 不適切な統計手法の選択
- 知ったかぶり
をすることがあります。特に、
- p値の解釈
- 多変量解析
- 回帰分析
- 因果関係の主張
などは要注意です。本格的な研究・学会発表・論文投稿レベルでは、必ず統計家・指導者・原著確認を併用してください。
まずは簡単な分析から
- 平均値・標準偏差
- 回答割合
- クロス集計
- ざっくりした相関の傾向
くらいを「参考までに見る」段階から始めれば十分です。例えば、
- 「運動頻度と満足度に相関がありそう?」
- 「睡眠時間と疲労感は関係ありそう?」
- 「どの年代の利用が多い?」
など、傾向把握の入口として使いましょう。研究だけでなく、業務改善・教育・コミュニティ運営にも応用できます。
個人情報には注意
ここでも個人情報への注意は必須です。氏名・住所・電話番号・ID・病院名・施設名・詳細病歴などは、削除・匿名化してから入力してください。AIに何を入力していいか、という感覚を常に持ち続けることが大切です。
「分析のハードル」を下げる存在
以前は「データ分析=難しい」という印象が強かったかもしれません。しかし生成AIによって、
- とりあえずグラフ化する
- 傾向を見る
- 質問してみる
くらいなら、誰でもできるようになりました。つまりAIは、
分析を始めるハードルを下げてくれる存在
です。
試してみるプロンプト
あなたはデータ分析が得意なリサーチャーです。 添付したアンケートデータ(匿名化済)を読み込み、次の手順で分析してください。
- 回答者の属性分布(年齢・性別・職種)を、表とグラフで整理
- 各設問の単純集計(割合)
- 「満足度」と他項目のクロス集計で、相関がありそうな項目をピックアップ
- 注意すべき点・解釈上の限界を3つ挙げる
最後に、本格的な統計解析が必要かどうかの判断もコメントしてください。
第11章のまとめ
- アンケート・評価データの「見える化」が一気に楽になる
- 統計の細部は専門家のレビューが必須
- 個人情報の匿名化を徹底すること