第1部|土台編 ―― 「使う側」から「作る側」へ
第1章 なぜセラピストが「作る側」に回るのか
この章の要点
- 「カフェのサイトを作って」の一言で動くものができる時代になった
- AIチャットは「相談相手」、AI開発ツールは「作業してくれるアシスタント」
- セラピストの強みは「問いを立てる力」。だからこそ作る側と相性が良い
「作って」の一言で、動くものができる時代
「カフェのWebサイトを作って」と一行お願いするだけで、数分後にはサイトが動いている。プログラミングの知識がなくても、AIが代わりに手を動かしてくれる──そんな時代に、わたしたちはもう立っています。
各論①の最後で、AIが自分でファイルを操作する「エージェント型AI」に触れました。本コンテンツでは、それを使って実際に動くWebサイトを作っていきます。これを可能にしているのが、これから紹介するAI開発ツールと呼ばれるものです。
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AIチャットとAI開発ツールの違い
ここで一度、これまで使ってきたAIチャット(ChatGPT・Claude・Geminiなど)と、これから使うAI開発ツールの違いを整理しておきましょう。
一番大きな違いは、パソコンの中のファイルを直接操作できるかどうかです。
AIチャットは、質問すればテキストで答えてくれますが、あなたのパソコンの中にあるファイルを作ったり書き換えたりはできません。イメージは「相談相手」です。「こういうコードを書けばいいよ」と教えてはくれますが、実際に手を動かすのは自分です。
一方、AI開発ツールは「作業してくれるアシスタント」です。「このフォルダの中にWebサイトを作って」と指示を出せば、AIが必要なファイルを作り、中身を書き込み、修正まで行ってくれます。自分でコードを書く必要はありません。
AIチャットで「教えてもらう」段階から、AI開発ツールで「やってもらう」段階へ。
これが、本コンテンツで踏み込む新しい一歩です。
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セラピストは「作る側」と相性が良い
『概論』で、こんなことをお伝えしました。
AI時代に問われるのは、知識量より「問いを立てる力」である。
これは、コーディングの世界でこそ、強く効いてきます。コードを書くのはAIです。だから人間に求められるのは、
- 何を作りたいのかを言葉にする力
- どんな機能・どんな見た目にしたいかを伝える力
- 出てきたものを見て「ここは違う」と判断する力
セラピストは普段から、症状を観察し、仮説を立て、評価し、相手に合わせて説明を変える専門職です。つまり、「問いを立て、相手に合わせて指示を出し、結果を吟味する」ことを毎日やっています。これは、AIにものを作らせるときに必要な力と、ほとんど同じ構造なのです。
だから、構えなくて大丈夫です。あなたはすでに、作る側に必要な「考え方の筋肉」を持っています。
第1章のまとめ
- AI開発ツールを使えば、コードを書かずに動くものが作れる
- AIチャットは「相談相手」、AI開発ツールは「作業してくれるアシスタント」
- 「問いを立て、指示を出し、吟味する」セラピストの思考は、作る側と相性が良い