第3部|実践編 ―― ファイルをAIに渡す
第7章 ChatGPT・Claudeにファイルを渡す
この章の要点
- ファイルをアップロードして「要約・書き換え・整理」を任せる
- プロンプトは「誰に・何のために・どんな形で」を意識する
- ChatGPTとClaude、それぞれの得意を使い分ける
Gemini Notebookとの役割の違い
Gemini Notebookが「渡した資料の中で調べる」アシスタントなら、ChatGPTやClaudeは「渡した資料を加工する」職人です。
- 要約する
- 書き換える(やさしく/専門的に/短く)
- 整理する(箇条書き/表/A4一枚)
- 別の形式に変換する
といった「手を加える」作業は、ChatGPTやClaudeの得意分野です。両者を使い分けると、ローカルファイル活用の幅が一気に広がります。
最初に試したい3つ
いずれも、架空の・または匿名化した資料で試してください。
① 患者説明資料をやさしくする
あなたは患者教育に定評のあるベテランPTです。 添付した肩関節の自主トレ資料を、80代の患者さんでも理解できるよう、専門用語を減らしてやさしく書き換えてください。不安を煽らない、優しいトーンで。
② 資料をA4一枚に整える
添付した自主トレ資料を、要点を絞ってA4一枚に収まるよう整理してください。見出しと箇条書きを使い、「目的・方法・回数・注意点」が一目で分かる形にしてください。
③ 長い資料を要約する
あなたは経験豊富なPTです。添付したガイドラインの要点を、若手セラピスト向けに3つにまとめてください。臨床で意識すべき点を中心に。
これだけで、AIは「相談相手」から「作業を手伝ってくれる共同作業者」に変わります。
プロンプトの基本の型(おさらい)
『概論』で扱った役割設定を、ファイル作業にも応用します。質を上げるコツは、難しいことではなく指示が具体的なだけです。
- 役割を与える:「あなたは経験豊富な理学療法士です」
- 相手(読み手)を伝える:「高齢の患者さん向けに」
- 形式を指定する:「箇条書きで/A4一枚で/表にして」
- 目的を添える:「自宅で安全に続けてもらうために」
すべて入れる必要はありません。「誰に・何のために・どんな形で」を意識するだけで、出力の質が一段上がります。
ChatGPTとClaudeの使い分け
執筆時点の主観的な印象として、ファイル作業では次のような使い分けが目安になります。
| ツール | ファイル作業での印象 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ChatGPT | バランス型。表作成・データ整理・画像生成も | CSV集計、表作成、資料の幅広い加工 |
| Claude | 長文の処理と文章の自然さ◎ | 長いPDF・原稿の要約、文章のリライト、構造化 |
もちろん性能は時期によって変わります。両方を触ってみて、自分の手になじむ方を選んでください。どちらか一方でも、十分に仕事は変わります。
試してみる
手元の資料(匿名化済み)を1つ、ChatGPTかClaudeにアップロードして、上の「最初に試したい3つ」のどれかを実行してみてください。出力を見て、「もっと簡単に」「箇条書きにして」と会話しながら調整する。この往復が、共同作業の感覚です。
第7章のまとめ
- Gemini Notebookは「調べる」、ChatGPT・Claudeは「加工する」。役割が違う
- ファイル作業も「誰に・何のために・どんな形で」で質が決まる
- 表・データはChatGPT、長文・文章はClaudeが目安。手になじむ方を選ぶ